朗読(葉っぱのフレディ)

2006年12月29日 (金)

葉っぱのフレディ(完)

次の朝は雪でした。初雪です。
やわらかで真っ白で静かな雪は じんと冷たく身にしみました。
その日は一日中どんよりしたくもり空でした。
日は早く暮れました。
フレディは自分が色あせて枯れてきたように思いました。
冷たい雪が重く感じられます。

明け方フレディは迎えに来た風にのって枝をはなれました。
痛くもなく こわくもありませんでした。
フレディは 空中に舞って それからそっと地面におりていきました。
そのときはじめてフレディは 木の全体の姿を見ました。
なんてがっしりした たくましい木なのでしょう。
これならいつまでも生きつづけるにちがいありません。
フレディはダニエルから聞いた「いのち」ということばを思い出しました。
「いのち」というのは永遠に生きているのだ ということでした。

「葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜」(童話屋)
レオ・バスカーリア作 みらいなな訳

Shu3_2

音楽は秋山裕和さんよりお借りしています

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2006年12月28日 (木)

葉っぱのフレディ⑤

変化するって自然なことだと聞いて フレディはすこし安心しました。
枝にはもう ダニエルしか残っていません。

「この木も死ぬの?」
「いつかは死ぬさ。でも いのちは永遠に生きているのだよ。」
とダニエルは答えました。

葉っぱも死ぬ 木も死ぬ。
そうなると 春に生まれて冬に死んでしまうフレディの一生には
どういう意味があるというのでしょう。
「ねえ ダニエル。ぼくは生まれてきてよかったのだろうか。」
とフレディーはたずねました。

「葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜」(童話屋)
レオ・バスカーリア作 みらいなな訳

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2006年12月27日 (水)

葉っぱのフレディ④

フレディーは悲しくなりました。
ここはフレディにとって 居心地のよい夢のような場所だったからです。
「ぼくもここからいなくなるの?」
「そうだよ。ぼくたちは葉っぱ生まれて 葉っぱの仕事を全部やった。
太陽や月から光をもらい 雨や風にはげまされて
木のためにも他人のためにもりっぱに役割を果たしたのさ。
だから 引っこすのだよ。」とダニエルは答えました。
「ダニエル きみも引っこすの?」とフレディはたずねました。
「ぼくも引っこすよ。」
「それはいつ?」
「ぼくのばんが来たらね。」
「ぼくはいやだ!ぼくはここにいるよ!」とフレディは おお声で叫びました。

アルフレッドもベンもクレアも そのとき が来て 引っこしていきました。
見ていると風にさからって 枝にしがみつく葉もあるし 
あっさりはなれる葉っぱもあります。
やがて木は葉を落として 裸どうぜんになりました。
残っているのは フレディとダニエルだけです。
「引っこしをするとか ここからいなくなるとか きみは言ってだけれどそれは・・・・」
とフレディは胸がいっぱいになりました。
「死ぬ ということでしょ?」
ダニエルは口をかたくむすんでいます。
「ぼく死ぬのがこわいよ。」とフレディがいいました。
「そのとおりだね。」とダニエル答えました。

「葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜」(童話屋)
レオ・バスカーリア作 みらいなな訳

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2006年12月26日 (火)

葉っぱのフレディ③

けれど 楽しい夏はかけ足で通り過ぎていきました。
たちまち秋になり 十月の終わりのある晩 とつぜん 寒さがおそって来ました。
フレディーの仲間のアルフレッドも ベンもクレアも ぶるぶるふるえました。  
みんなの顔に 白く冷たい粉のようなものがつきました。
朝になると 白い粉はとけて 雫がキラキラ光ました。

「霜がきたのだ。」とダニエルが言いました。
もうすぐ冬になる知らせだそうです。

緑色の葉っぱたちは一気に紅葉しました。 
公園はまるごと虹になったような 美しさです。
アルフレッドは濃い黄色に ベンは明るい黄色に
クレアは燃えるような赤 ダニエルは深い紫色に 
そしてフレディは 赤と青と金色の三色に変わりました。
なんてみごとな紅葉でしょう。

いっしょに生まれた 同じ木の 同じ枝の どれも同じ葉っぱなのに
どうしてちがう色になるのか フレディにはふしぎでした。
「それはね・・・・」とダニエルがいいました。
「生まれたときは同じ色でも いる場所がちがえば 太陽に向く角度がちがう。
風の通り具合もちがう。月の光 星明り 一日の気温 なにひとつ同じ経験はないんだ。
だから紅葉するときは みんなちがう色に変わってしまうのさ。」

「葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜」(童話屋)
レオ・バスカーリア作 みらいなな訳

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2006年12月 6日 (水)

葉っぱのフレディ②

夏になると フレディは ますますうれしくなりました。
お日さまが早くのぼって おそく沈むので たくさん遊べます。
かんかん照りの暑さは なんて気持ちがよいのでしょう。
夜になっても 昼間の暑さが残っているのですから
フレディーは気持ちがよくて 夢をみている気分です。

公園に 木かげを求めて 大ぜいの人がやってきました。
ダニエルは立ちあがり
「さあ 体を寄せて みんなでかげを作ろう。」と呼びかけました。
フレディは ダニエルに たずねました。
「どうして そんなことをするの?」
するとダニエルは
「暑さから逃げだしてきた人間に 涼しい木かげを作ってあげると 
みんな喜ぶんだよ。」といいました。
ダニエルの言ったとおりでした。
木かげに おじいさんやおばあさんが 集まって来ました。
子どもたちも来ました。
お弁当を広げる人もいます。
フレディたちは 葉っぱをそよがせて 涼しい風を 送ってあげました。
「フレディ これも葉っぱの仕事なんだよ。」

「葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜」(童話屋)
レオ・バスカーリア作 みらいなな訳

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2006年12月 5日 (火)

葉っぱのフレディ①

春が過ぎて 夏が来ました。
葉っぱのフレディは この春 大きな木の梢に近い 
太い枝に生まれました。 
そして夏にはもう 厚みのある りっぱな体に成長しました。
五つに分かれた葉の先は 力強くとがっています。

フレディは 数えきれないほどの葉っぱに とりまかれていました。
はじめフレディは 葉っぱはどれも自分と同じ形をしていると思っていましたが
やがて ひとつとして 同じ葉っぱはないことに 気がつきました。
となりのアルフレッド 右側のベン すぐ上のクレアは女の子です。
みんな春に生まれていっしょに大きくなりました。
春風にさそわれて くるくる 踊る練習をしました。
日光浴のときは じっとしているのがよいということも覚えました。
夕立がくるといっせいに雨に体を洗ってもらいました。

「葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜」(童話屋)
レオ・バスカーリア作 みらいなな訳

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音楽は秋山裕和さんよりお借りしています

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